《MUMEI》
意識
俺は、昨日のことを思い返した。




――・・

手術終了から約3時間後。

俺達は、智の家族と一緒に智の意識が戻るのを祈りながら必死に呼び掛けていた。





「智、しっかりしろよ!」

「まだまだお前とやりたい事たくさんあるんだぜ!!」

「智……黎夜君と椋君が待ってるのよ。お願いだから目を覚まして!!」

「お袋さんと親父さんにもう一度元気な顔見せてやれよ!!」






そうやって声をかけ続けていると、ピクッっと手が僅かに動き、智がうっすらと目を開いた。






「……うる…せぇな…。病院では少しは…静かにしろ・・・よ」

「「「智!?」」」

「…母さん…父、さん……ごめんな…。心配かけて……」

「…っ、何言ってんの。あんたが生きてるならそれでいいのよ」

「そうだぞ。お前が生きてるだけでいい」

「…あり…がとな。それでさ、悪い…んだけど…黎夜と椋以外は…席、外して……くれないか?‥二人だけに…話が、ある」

「…?分かったわ。黎夜君、椋君、智をお願いね」

「「はい」」

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