《MUMEI》
昼時
一般公開が始まって数時間。


時刻は昼時になり、さすがに客は飲食系の店に集中し始め、暇になってきた。


そんな中


トリミングコースと餌やりコースの二つを満喫していた頼は、放送で執事喫茶に来るよう呼び出された。


頼は、店に来た時既に執事服を着用しており、猫耳執事状態だったが


慌てていても、猫耳を外す事は忘れなかった。


しかし


クラスが違うエイミーを連れて行くのは、正直いいのかと


誰もが疑問に思った。


それから、柊と希先輩も席を立ち、石川が仕切っている、料理部の点心喫茶に向かった。


(静かになったな…)


そう思ったのは


「ヤッホー祐也!」


…一瞬だけだった。


「仲直りしたのか?」

「えー? 何の事? 俺達はいつもラブラブだよ」


良くも悪くも過去にこだわらない? 男


祐は、葛西先輩の肩を抱きながら、満面の笑みで言った。


「あ、それから、さっき忍さん見かけたよ!」

「え?」

「コスプレしてた!」

「えぇ!?」


(忍がコスプレ?)


俺は、全く想像できなかった。


(それに、何ですぐに俺のところに来ないんだ?)

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