《MUMEI》

『何と言うのか…アキラのその身長や見た目は…こっちで言う女性サイズなんだ』
「えっ!」

…そういえば。

公園の周りに居たママさんや若そうな女性を見てみると、身長も174cmの僕とそう変わらないぐらいで、もちろん僕は胸やお尻は無いけど、こっちの女性は体格も良くて…。

まるで日本人男性のような四角い体型だった。

「そういう…事だったんだ…ι」
『それにアキラはちょっと惚けてる所があるからな…それで隙だらけに見える所があるんだろう』
「えっ…惚けてる?」

惚けてるって、ボーッとしてるって事だよね。

そんなにしょっちゅうボーッとしている事は無いと思うんだけど…人から見たらそう見えるんだろうな…。

「それで…隙だらけ…って事ですか///」
『そういう事だ』

よく…隙のある程良く地味な女性がモテるって言うけど。

確かに気が強くて恐そうな女の人より、おっとりして優しそうな女の人の方が声をかけやすい…かもしれない。

それが、僕にも当てはまってるって事なのか…。




「ふぅ…」

くるみちゃんのクルンと丸まった髪の毛を電話のコードみたいに巻きながら、克哉さんとの電話を切ると、ため息をついた。

(ボーッとしてるとか…そんな事言われてもな…)

言われたとしても急に直せるものじゃないし……気を付ければいいのかな…。


視線を携帯からくるみちゃんに戻すと、そのブラブラさせていた足が止まり、その視線がゆっくりと上に向いて行っていた。

「どうしたの?」

くるみちゃんが見ている方に視線を向けると、気付かないウチに目の前に長い黒髪を束ねてキャップをかぶり、ラフな格好をしたアジア系の若い男の子がこっちを見ながら立っていた。

「こんにちは♪」
「あっ、え…こ、こんにちはι」

日本語?

日本の人なのかな…でも、いつの間に…全然気付かなかった。

でも、その人は日本人とは何か違う、独特な雰囲気が漂っていた。

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