《MUMEI》 挨拶しようにも、話しかけるタイミングがなかなか掴めない。 天城君、いっつも囲まれてるし‥。 せめて、独りの時があれば近付き易いんだけどなぁ‥。 「あちゃ〜、すっかり天城君中毒だね──」 「悠乃は興味ない?」 「なくもないよ? 色んな意味で」 シャーペン回しをしながら、推理でもするみたいに考え込む悠乃。 「確かにあの子可愛いけどさ? 何っか引っ掛かるんだよね──‥」 「何かって?」 「ん〜‥よく分かんないけど──とにかくさ、気をつけな?」 「──ぇ、うん‥」 まだ私は、何で悠乃が天城君を警戒してるのかなんて、全然分からなかった。 前へ |次へ |
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