《MUMEI》
「アホが、調子に乗んじゃねぇ」
続いた台詞には苦笑を溢し安月の手を払い退けるのだった。
それから二時間程してから居酒屋を出た。
熱った躯が外気に晒され心地好い。
いつもの場所で安月と別れる。
「俺のこと、男として意識して下さいね」
別れ際に安月はそんな言葉を残していった。
「出来るか、ボケ」
遠退いていく背中に向かい悪態を吐き帰路を急ぐ。
同性に告白されたのに、特に嫌悪感も抱いていない自分に少し驚いていた。
まだ実感が湧かないだけなのか、それとも本当に嫌じゃないのか、まだ彰治にも答えは出せないのであった。
答えを見付けるのはまだまだ先のこと。
告白/END
2006/9月作成
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