《MUMEI》

屋上に行くのは初めてだ。





何だか、ドキドキする。





「よいしょ‥」





ゆっくり、扉を開けた。





パッ、と振り向いた、天城君。





「あっ、来てくれたっ☆」





いつにも増して、笑顔がキラキラしてる。





「ちゃんと読んでくれたんやな☆」

「うん‥、ぃゃ、ハイ‥」

「畏まらんでええよ? みんなもタメやし☆」

「ぁ‥ハイ‥」





って言われても緊張するなぁ‥。





「そやっ──お昼休みまた話せぇへん?」

「──ぇ‥あの‥」

「ええやろっ? なっ?」





昨日みたいに小悪魔、って感じじゃない。





いつもの、天使。





だから、安心しちゃってた。

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