《MUMEI》
一休み
「あ、あの……離して下さい。」
「行きたいところあるんでしょう?」
…………トイレまで誘導してくれるとは、お見通しだったか。
顔色が悪かったのかもしれない。寝不足でコンディション最悪だったし。
どうして七生は元気なんだろう。
「すっきり?」
「すいません」
情けないな俺。
「暗い顔やめー。
私の横並ぶならしゃんとしなさいよ。」
はい、頑張ります。
「観覧車乗りますか?」
「……とっとくよ。」
とっとく?七生と?
「好きな人と二人で乗りたいじゃない?そーね。アイスクリームおごってあげる。」
そうか俺に気を使ってくれたんだな……。
「はい、」
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