《MUMEI》

校舎脇の、売店。





「──ゎ、これ美味しそー。──燕ー? 何見てんの?」

「──あれ」

「? ‥って‥‥‥」

「だよね?」

「うん、天城神楽‥」

「天城君も買い物‥?」

「みたいだけど──‥取り巻きいないね?」

「‥ぁ‥」





確かに、独りだ。





いつもなら、絶対誰か側にいるはずなのに。





「まぁ、独りになりたい時位あるかもね」

「──そっか──」





そういえば‥天城君言ってた。





『アイドルも楽やないなぁ』

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