《MUMEI》
俺の大切な親友
それから3日間、俺は椋の家に泊まった。そして、どこに行くときでも傍を離れないようにした。

2日間、薔薇は置かれ続けた。そして、確実に本数は減った。昨日1本だった薔薇は、今日はおかれていない。

でも、何も起きることはなかった。もう時計は23:40。あと20分も経てば、今日が終わる。20分なんて短時間に何かが起こるとも思えないし、俺達は寝る支度をして床につくことにした。



「黎夜、今日まで何もなくて本当によかったよ!」

「あぁ、そうだな。俺も安心した」

「やっぱ、ただの偶然だよな」

「そうだな」

「なんか、一人で勝手に大騒ぎして、黎夜にも迷惑かけて…。…本当にゴメンな」

「バーカ。何言ってんだよ。親友見捨てるわけねぇだろ」

「あ、俺のこと親友って認めてくれてたんだぁ!」

「!……うっせぇ…」

「あー!黎夜、照れてる〜!!」

「照れてねぇよ!」



椋は嬉しそうに隣で笑っている。俺は、そんな椋の姿を見て、本当に心から安心した。
そして、その安心感からか、急な睡魔が襲ってきた。
あれ、おかしいな?さっきまでまったく眠くなんかなかったのに…。



「…なぁ、黎夜」

「…ん〜?」

「本当にありがとな」

「…あぁ」

「黎夜?もう眠い」

「眠い…かも…」

「そっか。また、泊りに着てくれよな。そしたら、今度は夜通し話そう」

「…ん〜」

「ハハっ。ホントに眠いんだな。…おやすみ」

「…おや、す、み」







俺は直ぐに眠りについた。


そして、夢を見た。学校の夢だ。
智と俺が楽しそうに廊下で話をしている。そこに駆け寄ってくる椋。そして、3人で他愛もないお喋りをしているようだった。智が死ぬ前のように…。

椋が生きてて、本当に良かった。親友を2人も失うなんて、辛すぎる。














俺の
――――大切な親友

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