《MUMEI》

色んなとこ回った気がするけど‥どこ行って何したのか──よく思い出せない。





とにかくドキドキしっ放しで‥





『焦らへん焦らへん。後でちゃんと教えたるから☆』





いつ天城君が切り出すのかって、そればっかり考えてた。





──2人で公園のベンチに座って、夕焼けを見てたら。





急に、天城君が顔近付けてきた。





「あんな?」

「‥‥‥‥‥‥‥」





固まっちゃって、返事するどころじゃない。





そんな事はお構いなしって感じに、天城君はスレスレまで顔付けてきた。





「──好きやねん」

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