《MUMEI》

──やっと帰って来た。





「ツバメ無事ッ!?」





部屋に入るなり、悠乃が飛び出して来た。





「だいじょぶだよね‥!?」

「うんっ、だ‥大丈夫‥」





いつもの悠乃は、こんなに慌てたりしない。





相当心配させちゃったみたい‥。





「良かったぁ‥もぉどうしようかと思ったじゃん‥。ケータイ忘れたまんまだし‥」

「ゴメンッ‥」





いきなり連れ出されたから何も持ってく暇なくて‥。





「無事だったからいいんだけどさ──‥。やっぱ気をつけなきゃだよ?」

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