《MUMEI》

「梶野せんぱーい!」

「ぉ──お前保健室の」

「──あのっ、天城君どこにいるか分かりますかっ?」

「神楽? 屋上だな、たぶん」

「ありがとうございましたっ」

「おいっ、ちょっと待った」

「はいっ‥?」

「お前まさかアイツに会いに行くとか?」

「ぁ‥ハイ、一応」

「やめといた方がいいぜ‥? アイツマジでお前狙って──つーか何かされてね?」

「いえっ、大丈夫です、全然‥」

「──悪いな、アイツ別に変ってワケじゃねーんだけどさ。まぁちょっと居所が悪かったっつーかな」

「居所‥」

「まぁ、籠ん中に閉じ込められてるみたいなもんだし」

「籠‥?」

「オレはアイツ程の家柄にいるワケじゃねーからよく分かんねーけど──‥よーするに世間知らずのバカってこった」

「───────」

「お前さ? アイツと付き合うつもりならコレ、持っといた方がいいぜ?」





──そう言って梶野先輩が渡してくれたのは、1枚のメモだった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫