《MUMEI》 「梶野せんぱーい!」 「ぉ──お前保健室の」 「──あのっ、天城君どこにいるか分かりますかっ?」 「神楽? 屋上だな、たぶん」 「ありがとうございましたっ」 「おいっ、ちょっと待った」 「はいっ‥?」 「お前まさかアイツに会いに行くとか?」 「ぁ‥ハイ、一応」 「やめといた方がいいぜ‥? アイツマジでお前狙って──つーか何かされてね?」 「いえっ、大丈夫です、全然‥」 「──悪いな、アイツ別に変ってワケじゃねーんだけどさ。まぁちょっと居所が悪かったっつーかな」 「居所‥」 「まぁ、籠ん中に閉じ込められてるみたいなもんだし」 「籠‥?」 「オレはアイツ程の家柄にいるワケじゃねーからよく分かんねーけど──‥よーするに世間知らずのバカってこった」 「───────」 「お前さ? アイツと付き合うつもりならコレ、持っといた方がいいぜ?」 ──そう言って梶野先輩が渡してくれたのは、1枚のメモだった。 前へ |次へ |
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