《MUMEI》
6.平穏な時間
香「えっ!?それは本当ですか?」

望代「ええ、本当よ。
確かに安野 丈 の父親は現場にいたわ。
香さんが見た左足を引きずる後ろ姿は安野 丈 の父親よ。
でも安野 丈 の父親は香さんの両親を殺害する所を目撃して犯人を追い掛けたのよ。
でもね、犯人を捕まえる為に追い掛けたんじゃなくて…犯人を揺する為に追い掛けていたのよ。
香さんの両親を殺害したのは橋本 亘よ。
安野 丈 の父親は橋本 亘を捕まえたんだけど…橋本 亘に上手く言いくるめられて、それで、この大賀根病院を騙しに来たのよ。」

香「そうだったんですか…」

望代「轟刑部の事…覚えてる?」

香「はい。轟刑部の事は覚えています。」

望代「今朝、ウチの病院に来たわ。でも刑部じゃなかったわ。
今は轟警察長官なのよ。
今日ね、安野 丈 の父親が刑を終えて出たそうよ。
出る時に轟警察長官に真実を話したそうよ。
橋本 亘は死刑だそうよ。」

香「今は色々と、みんな変わってしまったんですね…これで良かったのかな?」

望代「ええ、本当に良かったのよ!
みんな香さんのお陰よ。本当に感謝してるわ。」

(コンコン)

ドアをノックしてから看護師長の岡 絵理が理事長室に入って来た。

絵理「香さん、会えて本当に嬉しいわ。
今、安野さんの検査と手当てが終わって病室に移動したわ。」

望代「さぁ香さん、安野さんの病室に行って。」

香「はい。」

伊井 香 は看護師長の岡 絵理と一緒に安野 丈 の病室へ向かった。
安野 丈 は肋骨を3本骨折、右太ももを肉離れ、後は擦り傷や打撲だけで命に別状はないとの事だった。

絵理「ここよ。今は薬で眠っているけど…傍に居て上げてね。」

と言って看護師長の岡 絵理は、そっと立ち去った。
伊井 香 は安野 丈 の傍に行き手を握って 優しい微笑みを浮かべながら、そっと安野 丈 に口づけをした。



その時、安野 丈 が伊井 香 をギュッと抱きしめて来た!
伊井 香 はビックリして口を離した。

丈「香、好きだよ!」

今度は安野 丈 が伊井 香 に口づけした!
伊井 香 も安野 丈 を強く抱きしめた!

丈「痛てて…」

2人は笑った!
そして2人は抱きしめあいながら口づけを交わした。





前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫