《MUMEI》

「なくなった‥‥‥?」





コクッ、と天城君が頷いた。





「ずぅっと狭い中におったからかなぁ。のうなってもうたんよ」

「‥‥‥ぇ‥」

「それにな? ボクアイドルやなんて気取ったりしとるけど──仰山ファンもおるけど──‥寂しいねん」

「!‥」





メモに書いてあった通りだ。





「そやけどな? ツバメちゃんとおると平気なんよ」

「───────」

「ほんまや。それだけやのうて、何ていうんかなぁ‥‥‥幸せなんよ」

「幸せ‥?」

「うん。ツバメちゃんとおる時だけな」

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