《MUMEI》 . 義仲の目に危険な光が宿る。先程、不良たちをボコッたときと同じ、その目。 直感的に、ヤバイ気がした。 しかし、ルカさんは気にもとめず、言葉をつづける。 「ホントは弱くて心細いクセに、虚勢を張って自分を大きく見せようとする………要するに、コドモってこと」 言い放った瞬間。 義仲はルカさんとの間にあるスツールを、思い切り蹴飛ばした。 けたたましい音を立てて、スツールが床の上に転がる。 その音に、わたしとゆうこママはビビったが、ルカさんは平然とした表情でまっすぐ義仲を見つめていた。けして、目を逸らすことはなかった。 義仲はルカさんを睨みつけながら、ゾッとするほど低い声で唸った。 「……テキトーなこと抜かすな」 ルカさんはゆるりと瞬いた。 「そうやって物に当たるトコは、まだまだガキね」 義仲が怒ることを、飄々と口にする。 . 前へ |次へ |
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