《MUMEI》
sympathy
「でな、八百屋のおばちゃんがおまけでリンゴをくれたんや。」

その日の夕飯、とりあえずあったことの話をしていた。

「そう、やっぱりリュウはかわいんだよ。」

「それはわからん!ないやろ!」

お互いしばらく差し障りの無い会話ばかりしていたが、

「今日のあの人、異母兄なんだよ。」

!!

唐突に切り出された話に驚いていると顔色一つ変えずに阿騎は続けた。

「俺の家は古くからの医者の家系でね。あれは一番上の兄、後は姉が一人と妹が一人。」

「ふーん…」

どう返事をするか迷いながらなので何か気の無い返事になる。

「まぁよくある話だけどね、醜聞を嫌った父はメイドだった母親に俺を生んだ後金を握らせて追い出した。」

淡々とただ阿騎は話していく。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫