《MUMEI》 「何訳わかんないこと言ってんだ?」 「だってあの人たち脇役顔なんだもん。」 「くはは!! 何だそれ。」 「…ま、 試合が始まればわかるさ。」 「ビー!!」 アップを済ませた両チームが、 コートに集まる。 観客席からは声援が飛んでいる。 「クロさん頑張ってくださ〜い!!」 (もちろん。) 「クロ!! 恭介!! お前ら勝手に学校辞めてんじゃね〜よ!!」 「あはは。」 「恭ちゃんしっかりね!!」 赤高の選手たち。 学校の友達。 高校時代の同級生。 美紀。 理紗。 春奈。 恭介の両親。 そしてクロの両親の姿も、 会場にあった。 「兄ちゃんカッコいい!!」 「そうだな。」 「仕事… 大丈夫だったの?」 「…息子が初めて自分から見に来て欲しいって言ったんだ。 こない訳にはいかないさ。 それにホントは…」 「…?」 「ずっと見て欲しかったんだろ…」 … 『父さん… もう1つ。 お願いがあるんだ。』 『何だ?』 『次の試合、 見に来て欲しいんだ…。』 … (小太郎… 俺は… ちゃんと見てるからな。) 前へ |次へ |
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