《MUMEI》 天城君は寂しがり屋で──ずっと独りぼっちだった。 だから、また独りになっちゃうんじゃないか、って不安なんだ。 私が、離れちゃうんじゃないか、って。 だからこうやって、捕まえてるんだ。 「──大丈夫やよね」 「ぇ」 「ツバメちゃんやもんね」 「──うん」 大丈夫だよ、離れないから。 「やっと出られたんや」 「──出られた‥?」 「狭い籠ん中から──やっと出られた」 「──良かったぁ。‥?」 「ツバメちゃんが開けてくれたんやなぁ、て」 前へ |次へ |
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