《MUMEI》

天城君は寂しがり屋で──ずっと独りぼっちだった。





だから、また独りになっちゃうんじゃないか、って不安なんだ。





私が、離れちゃうんじゃないか、って。





だからこうやって、捕まえてるんだ。





「──大丈夫やよね」

「ぇ」

「ツバメちゃんやもんね」

「──うん」





大丈夫だよ、離れないから。





「やっと出られたんや」

「──出られた‥?」

「狭い籠ん中から──やっと出られた」

「──良かったぁ。‥?」

「ツバメちゃんが開けてくれたんやなぁ、て」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫