《MUMEI》
「アイスクリームこぼれそうだよ」
「うおお!」
下からズルズル音を立ててアイスクリームをすすった。
「木下君って以外とぬけてるな。」
早紀さんはウェットティッシュを一枚くれた。
……恥ずかしながら。
抜けているかもしれません。しっかりしたフリしています。
「口の端に付いてる」
早紀さんはそう言いながら口を拭ってくれた。
少し近付いてどきどきした。いいにおいだった。
すいません。
ときめいちゃいました。
「しっかりするのは好きなんですけどね……」
話変えよう。
「わかるよー。そういう人」どういう人?
でも分かってくれてそう。早紀さんの真っ直ぐ空に向かって吹いた煙がそう語っている。
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