《MUMEI》 私はボロボロと涙を零していた。それを拭おうと先生は私の頬に触れる。 「ショックだった。おまえに、『好きになってもらえるように努力する』なんて言わせてしまったこと。自分のエゴだけで、自分の気持ち確認してなかった。・・・ただ、気持ちがある相手を抱きしめられたことが、本当に嬉しかったんだ・・・。」 先生は、私を強く抱きしめた・・・。 そのまま私の唇を奪い、押し倒した。抵抗することも、受け入れることもできずに、されるがままだった。 ただ、優しいキスに少しずつほだされて、めまいがしそうになる。 キスが少しずつ唇から離れ、首筋や胸元まで降りてきた。制服のリボンをほどかれたとき・・・ 先生の手が止んだ。私も我に帰り、身を起こすと、 「先生?」 先生は頭を抱えてうずくまっていた。 「先生!大丈夫?」 返事がないまま、その場に倒れた。私は慌てて、先生を揺らした。 もしかしたら、症状が出てしまったのかもしれない。 「ど、どうしよう。」 私は救急車を呼ぼうと、電話を探した。 立ち上がると、手首を掴かまれ、苦しそうな声で 「・・・大丈夫だから・・・。」 と言った。 前へ |次へ |
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