《MUMEI》

「メリーゴーランド乗りませんか?」
新しい提案。アイスクリームが無くなって間が持たない。


「……でかいの乗ろうよ。
四人乗りの。」
煙草を携帯灰皿に突っ込む仕種……大人の女性だあ。



メリーゴーランドはスッカスカで5歳くらいの子が二人両親に手を振っている。

馬車に向かい合わせに座る。


「あのー、七生と付き合ったのって……」
ちょっと聞いてみようかなとか思ってたりしたが、いざ口に出してみるとうまく纏まらない。


「七生は私の中では新天地なのよ。
……挑戦なの。」


「……それって七生のこと好きなんですか?」
馴れ初めを聞く筈が思ってもないことを言ってしまった。


でも七生がそうやって早紀さんの中で測られているのがなんか、不快だ。
「互いに好きって想うから付き合ったんでしょ?早紀さんの言い方だと自分優先して七生のこと考えてないように聞こえますけど!」

追い込んでいる気がした。


早紀さんは黙って俺を見ている。
なんか、怖ぇえ。







ヒィィ、俺なんて失言を!

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