《MUMEI》

「なっ、楽しいもんやろっ?」

「うん」





それに──そんなに難しくないかも。





天城君がリードしてくれてるから。





「──やっと叶った」

「叶った‥?」

「ずっとな? 誰かと踊ってみたいなぁ思とったんや。彼女と踊れるやなんて全然思てへんかったんやけどな──」

「──楽しい?」

「うんっ☆」





これ以上ない、って位の笑顔。





「今日は最高の誕生日や☆」

「──良かった」





何だか、私まで嬉しくなった。

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