貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》外れた世界 その11
「ふふ…あはは、あはははははははは!!!」
ヱグザスは嗤う。男を睥睨し、その瞳をずっと見続ける。
「死がどの様なモノか。貴様に分かるのか。なぁ、どっかの誰かさん?」
締め付ける力は激しく強く。男の体躯を縛する。
「か…はぁ…っ……。」
息をするのさえ苦しい程に絡む闇の鎖。万力、と形容するのが相応しいのだろう。メキメキと音を立て、骨が砕けて折れ曲がる。男は自分の体がもう恐らく使い物にはならないだろうと感じていた。
(まさか…これ程に、力の差が有ったなんて…な)
心の中でぼそりと呟く。
あの時だってそうだった。
ヱグザスに決して剣技の腕前は負けて無い。ただ……、
一一一剣そのものが強過ぎたのだ
「そろそろ飽きたよ。その命で、断末魔の叫びで、愉しませてくれないか」
鎖が両手足を伸ばし、十字架の様に男の全身を奉り上げる。
ヱグザスの手に鎖が混ざり、溶け合いながら剣を造る。
剣の刀身は初めの白銀から反転し、完全に漆黒に染まっていた。
-呪殺の対価は、我が命火-
-破滅の射手よ。祭壇に贄を捧げん。祷る死は血の豪雨と成らん-
「紅血の抉-ブラッディ・ガイスト-」
幻影にも似た剣が、空を裂く。
音も無く突き刺さる刄。
黒の中に、赤が滴った。
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