《MUMEI》

秘書課の女性社員……鉄火マキちゃんが廊下の端に寄り、アンパンマン常務に頭を下げた。



右手を挙げて応えながらも、思案は巡り続ける…。



(一部門の末端にいる従業員ならば、そんな事を知る由もなく…


…故にこれ以上、我が社の汚点が世間に晒されることはない…。)



アンパンマンは役員専用フロアの、ある人物の執務室の前に立ち止まる。



ドアをノックしようと、右手の中指と人差し指の第2関節を揃えたところで、躊躇したように動きが止まった。



(だが、…もし、そうでなかったとしたら…?)

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