《MUMEI》 - 二人がいるのは 守校… 《守護能力育成目的技術校》 の、暗い図書室である。 本来そこは許可無き者が簡単に入れる場所では無い。 侵入防止の為のトラップや赤外線感知レーダーも導入されていて 忍び込むためにはかなりの能力を要する。 また、忍び込んだ者には厳罰を与える。というルールが定められていることもあり、 この五十年間誰も忍び込んだことは無いという。 そんな場所に忍び込んだのは、 好奇心から。 見つからないと、思っていた。 『厳罰』の内容も知らなかったために、油断していたのかもしれない。 守校の説明は後にするとしよう。 二色眼の少年が 本を指して 再び口を開く。 「龍翼…見ろよ」 二色眼の少年がもう一人が見やすいように 腕にまいた腕時計状の機械(…この説明も、後にしよう)のライトを、 本に向けた 龍翼…リツと呼ばれた少年は 面倒臭そうに本を覗きこんだ そこには、不思議な文字の刻まれた石盤の写真があった。 「これは今から七千年前の遺跡から発掘されたものだ。…人類にまだ、四つの翼があった頃の。」 二色眼の少年の 前へ |次へ |
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