《MUMEI》
Asiatische Schonheit.アジアンビューティ
ベッドの中で携帯を見ていると、昼間に会ったあの”林くん”からのメールが入っていた。

(う〜ん…一緒にカフェに行こう…かな?)

この携帯にはアルファベットしか入らないので、彼から来たメールは英語で書いてあって、なんとなくしか読めなかった。

(英語の授業、ちゃんと受けてれば良かったなぁ…)

「どうした?」

ベッドの軋む音がして振り返ると、後ろから克哉さんが僕の持っていた携帯を覗き込んでいた。

「あっ、あの///…携帯、ありがとうございました」

昼間のお礼を言いながら携帯を閉じてベッドの横のテーブルに置くと、克哉さんはにっこりと微笑みながら僕にキスをしてきた。

「どういたしまして、昼間にアキラと話が出来て嬉しかったよ」

そう言いながら克哉さんは僕の着ていた寝巻きのボタンを外していって、胸や首筋にも唇を寄せていった。

「ぁ…んぅ///」
「あの時は今にも泣きそうな声だったな…そんなに怖かったのか?」
「…ぅ…はい…くるみちゃんを守らなきゃいけないのに、逆に守られて…僕しっかりしなきゃ…いけないのに」


そう話しているウチに寝巻きも下着も全部脱がされていて、克哉さんも筋肉質な身体を露わにさせていた。


あの場所に行って以来、克哉さんはベッドに入っては毎晩僕と身体を重ねてくれるようになった。

嬉しいけど…こう毎晩だと、体力が持たないかもしれない。


克哉さんのは、力強くて激しいから…。



「アキラ…」
「は、はい///」

克哉さんとの事を想像してその身体をぼんやりと眺めていたら、克哉さんが僕の事をじっと見つめていたのに気付かなくて、慌ててブランケットで下半身を隠した。

「電話を切った後にな、いつもアキラをもちろんくるみも危ない目に会わせない為にと思って考えたんだ…」
「?」

そう言うと克哉さんはニコッと笑いながら、ベッドの脇に隠してあった綺麗で小さな紙袋を見せてきた。


その紙袋から手のひらぐらいのケースを取り出すと、ケースを開き、その中にあった指輪を僕に見せてくれた。

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