《MUMEI》
プロローグ
雨の日の拾い者に、外れはない


少なくとも、少年


クーはそう考えいた


それは、クーの拾った者が当たりばかりだったから


一人目の大男は、クーの大切な家族になった


二人目の優男は、クーの仕事の得意先となった


そして


今、目の前にいる三人目は


「何に、なるんだろう、君は」


平均の身長に、平均の体重


平均の、腕力のクー


ガラガラガラガラ


雨の日の拾い者に、外れはない


そう知ったその日から、彼は雨の日には必ず台車を引いて、街に出ていた


「よいしょ、と」


慣れた手つきでクーは目の前にいる


眠っている薄汚れた少女を台車に乗せた


ガラガラガラガラ


人気の無い、暗い夜道に台車の音だけが響いていた


…これが、全ての始まり

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