《MUMEI》
プロローグ
「娘さんを僕に下さい!」


「ハァ!?」×3


「ま、間違えました、うちに下さい」


「よーし、歯ー食いしばれ」


親父、臨戦大勢


「馬鹿だとは思ってたけど…ここまでとは」


お袋、呆れ顔


「ちちち違います、は、話を… た、助けて〜、マコちゃ〜んっ」


ハァ…


「あのさあ、誠治(せいじ)さん。ちゃんと、落ち着いて、説明しなよ。

…いい大人なんだから」


黙ってればイケメンの、誠治さんはお袋の弟


つまり、俺のおじさん


「う、うん。つまり、マコちゃんに、うちの高校に来てほしいんだ…」

「最初からそう言え」×3

「ご、ごめんなさいぃ! で、その…お返事は…」

「どうする、誠(まこと)」

「うーん…」


正直、特に行きたい高校は無いけど


「ひ、費用は全て僕が払うよ!」

「…マジ?」

「もちろん!全寮制だから、生活費も払うし!」

「わかった、行くよ」


早く自立したくて仕方なかったし


「いいのか? 誠」

「何か罠があるかもよ」

「ひ、ひひひどいな姉さん!」

「怪しいけど、タダなら多少は我慢するから」


なんたってタダだから!

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