《MUMEI》

するかも‥。





悠乃なら、たぶん知ってる。





「ふぅ──やっと安心だね、これで」

「──安心?」

「そっ。正直ちょっと心配だったんだよね〜」

「ゴメン‥」

「いや別にさ、気にする事ないよ? だってさ、もう全然心配する事ないじゃん」





ニッコリ笑った悠乃の顔が、お母さんみたいに見えた。





「──さぁて、あたしも負けてらんないな──」

「?」

「王子様探ししよっかな〜ってさ♪」

「──────」

「でもやっぱあたしじゃなぁ」

「見つかるよ、絶対」

「そぉ?」

「うんっ」





絶対見つかるよ、素敵な王子様──。

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