《MUMEI》

「ほんまは昨日渡すつもりやったのになぁ──」





ちょっと残念そうな神楽君。





「まぁええか☆」





立ち直り早っ‥。





「燕もオッケーしてくれたんやしな☆」





さっきヘコんでたのが、嘘みたいだ。





「ほな燕っ、帰ろか☆」

「──うん。‥‥‥ぁ」

「どないしたん?」

「いやっ、ゴメン、何でも‥」





親に何も言わないで決めちゃったけど‥大丈夫かな‥。





「帰ろ帰ろっ☆」





大丈夫──だよね、きっと。

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