《MUMEI》
一喜一憂
会えない日なのに、あなたに会えた。


声をかければいいのに。
ほら、黙ってるから下を向いててこっちを見ない。

でも、なんて声をかけたらいいの?
こんにちは?
不自然じゃない?

なんて考えているうちに、どこかに行ってしまった。


彼が立ち去る前に見えたかばん。
いつも持っているものと違う。
なんで?がずっと頭をまわった。


なんで、私があげたかばんじゃないの?


思い出まで処分しちゃったのかな。
辛くて声がでなかった。


なのに。
帰り際、笑顔で声をかけられた。

そんなことで今日もゆらゆら。

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