《MUMEI》
愛は会社を救う(116)
実はあの後、知子と由香里そして本人からの強い要望で、私は仁美とも関係を持った。
もちろん、"快感の与え方"をレクチャーしただけである。
テキパキと働く社員たちをオフィスの隅で眺めていると、すっかり司令塔が板に付いた仁美と目が合った。
仁美は一瞬、はにかむように目を伏せた後、再びこちらを見て照れ臭そうに微笑んだ。
若い娘には無い、"従順さ"や"恥じらい"…。
素顔の仁美は、それら忘れかけていた要素が、完璧に備わった女性だった。
以来、私は毎日のように、あの晩の快感を反芻し続けていた。
清らかな化粧水の香りと共に…。

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