《MUMEI》
愛は会社を救う(119)
「だけど一つだけ、心配事があんのよ」
私には、仲原が何を憂えているのか、とっさには見当がつかなかった。
「心配事?」
「うん。青地と藍沢、女だろ。すぐにデキ婚、寿退社…なんてことになるんじゃないかと思ってね。特に藍沢はさ、最近妙に色っぽくなっちゃって。なんつっても、あのぽちゃぽちゃっとしたバディだしさ」
仲原はコーヒーを持ったまま、古典的なジェスチャーで、女性の身体のフォルムを宙に描いて見せた。
「寿退社、ね…」
すべてを知っている私は、ただその場で苦笑するしかなかった。
「いやいや、ずっと前にさ、実際あったらしいのよ。山下が係長に内定してたんだけど、下に付くはずの女子社員が続けざまに妊娠しちゃって、それで…」
「その心配は、無用だと思いますよ」
私は笑いながら、仲原の話を遮った。

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