《MUMEI》
愛は会社を救う(120)
「え?え?どうして」
不思議そうにこちらを覗き込む仲原をよそに、私はわざと言葉を濁した。
「大丈夫。あの3人なら、お互いを裏切るようなことは絶対にありません」
仁美を支える、知子と由香里の愛。
2人の愛によって、産まれ変わった仁美。
私は心の中でつぶやいた。
("愛が会社を救う"…、そういうことさ)
遠くに霞む秋の海を眺めながら、私はおもむろに紙コップの熱いコーヒーをすすった。

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