《MUMEI》
だれ??
.


俺の下にいたアイコの顔が、急に引き攣ったのだ。そのまま、カチカチに固まって動かなくなる。

その視線は、俺を通り抜けて背後を見つめているようだった。



不思議に思い、俺は、ゆっくり振り返る。



そして、





…………ビビッた。





女の子が、立っていた。


制服をきちんと着こなし、その華奢な腕にはたくさんの本が抱えられている。

彼女は俺たちのことを表情を変えず、じーっと見つめているのだ。


なんの興味もない、といった瞳で。





…………なに、コイツ。



てか、ちょっとはキョドるとか、



フツーするだろ??



一体、だれ??





.

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