《MUMEI》
切ない目
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彼女の台詞にバツが悪くなったのか、アイコは乱れた制服を整えた。

俺といえば、その目の前の謎の女の子をじっと見つめて、言う。


「……そうッスね。すんません」


彼女はなにも答えなかった。フイッと目を逸らし、スタスタとどこかへ消えていく。

それから俺はアイコをともなって、図書室を出ようとした。

あの女の子は図書室の貸出カウンターの内側の椅子に腰掛けて、黙々と貸出カードの整理をしていた。


部屋を出るまえに、俺は振り返り、彼女を見る。


「お邪魔しましたぁ」


声をかけてみたが、返事は無かった。彼女は手元を見たまま顔すらあげない。





…………完全、ムシですか。





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