《MUMEI》

『いもう‥と‥?』





──妹。





その言葉は、私にとって凄く新鮮だった。





今まで、そんな風に言われた事はなかったし‥私は1人っ子だったから──お兄ちゃんとかもいなかった。





だから、何だか嬉しかった。





『みつか‥いもうと?』

『おう♪』





笑って、その人はこう言った。





『今日からお前は、鈴原蜜花。悪くねーだろ?』

『すず‥はら‥?』





その瞬間、私はただの『蜜花』じゃなくなった。





『鈴原蜜花』になった。





鈴原 晃の、妹に──家族になった。

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