《MUMEI》

その日からずっと、私は君を『こーちゃん』って呼んでいるよね。





こーちゃん──あの頃はまだ中2だったのに、狭いアパートの部屋に私を匿って──バイトをしながら、今まで育ててくれたんだ。





食事に困ってた頃も、





『そんなに腹減ってねーからっ』





そう言って自分の分を──私に分けてくれた。





自分の欲しい物なんて全然買わないで、一生懸命お金を貯めて‥私を学校に通わせてくれて。





こーちゃんは、本当に私に何でもしてくれた。





いつだって、側にいてくれた。





私は、そんなこーちゃんが大好きだった。

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