《MUMEI》

「うーん‥」





──何でなんだろう?





こーちゃんが撮る写真は、どれも綺麗で。





いつだって、一瞬の輝きみたいなキラキラした物を、閉じ込めている。





「ぁ──これどこで撮ったんだろ‥?」

「これは──えっと──‥たぶんアパートの屋上だと思う」

「へぇー、やるねーコウさん」





有里が写真を見ながら、目をキラキラさせている。





「──あれ、これ何だろ‥? 魚?」

「グッピー。今こーちゃんが育ててるんだ」

「わぁ、かーわいーねー♪」

「今度──家来る? 見せてくれるよ、こーちゃん」

「ほんとっ? 行く行く♪」

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