《MUMEI》 次は…二人が柊に殺されたのかどうかを考えていて、よく眠れない日が続いた。 そのため、朝鏡で見た顔は隈ができて青白い、窶れた顔になっていて、当然母さんにも心配された。でも、俺は「何でもない」とだけ言い早急に家を出てきた。 そして、学校ではそんな俺に追い討ちをかけるような話が毎日そこらじゅうを飛び交っていた。 「ねぇ、次って黎夜君なのかな?」 「今の状況でいったらそうなんじゃなか?」 「やっぱそう思うよね」 「そういえばさ、今回のって"地獄への道"に繋がる赤い薔薇が関係あるらしいよ」 「え、何それ」 「薔薇が玄関に置かれて、その数が減っていくんだって。それで、薔薇がなくなった日が…」 「……マジ?それって超ヤバくない?」 「だよな〜」 「じゃあ、薔薇が置かれたら必ず死ぬってことか」 「怖っ!」 毎日毎日こんな話ばかりでは、たまったもんじゃない。 さらに、今一番話題になってるのは、『次は月代 黎夜の番』という話だ。 これはまぁ、当然といえば当然のことで、いつも仲良くしていた三人の内二人が死んでしまったんだからそんな予想、俺だってする。 でも、俺も本当に智や椋と同じ運命を辿るんだろうか …いや、違う 俺は殺されたりなんてしない!! 椋が死んでから毎日話題になっている、次は自分の番だなんていう噂を聞きたくない俺は今日も一人、授業が始まるまで廊下で外を眺めた。 これが今の俺の日課になっていた。 「…月代君、大丈夫?」 「………」 今の俺に声を掛ける奴も珍しいと思い、黙って声のした方を見ると、そこには柊がいた。 前へ |次へ |
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