《MUMEI》

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そこに目をつけた俺は、図書室をホテル代わりにしようと思ったのだけど……。





…………まさか、目撃されるとは。





高杉 晋也、


一生の不覚。





俺は天草の姿を観察した。

彼女は相変わらず窓の外を切なそうに眺めていた。

カウンターの上には、彼女が読んでいたであろう分厚い本と、レポート用紙が数枚、置いてあった。


それを、天草はほったらかして、窓をずっと見つめている………。





−−−俺は、





特に用事もなくて、


ヒマを持て余していて、


しかも昨日、あんなことがあったから、


だから、


天草をちょっと、からかってみようと、


そう思って、





図書室のドアを静かに開けた………。





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