《MUMEI》 「みかん‥?」 「‥あのね‥‥‥」 俯いたまま、途切れた私の言葉。 「‥‥‥‥‥‥‥」 「俺の事──だろ?」 「ぇ‥」 顔を上げたら‥。 こーちゃんが‥笑っていた。 「気にすんなよ、まぁ──確かに俺──色々やらかしちまったけどさ──」 「でも‥こーちゃんはいい人だよっ‥。みんなは誤解してるんだよ、髪が金髪だとか‥カラーコンタクトしてるとか‥そんなの‥見た目だけしか見てないし‥‥‥」 「───────」 「こー‥ちゃん‥?」 「俺のこの髪とこの目の色も──ちょっと‥関係してる感じなんだよな」 「‥どうして‥?」 「──俺、髪染めてる訳じゃねーし、カラコンもしてねーんだ」 「‥‥‥‥‥ぇ‥」 私は‥こーちゃんを見つめたまま‥そう言うのがやっとだった。 前へ |次へ |
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