《MUMEI》 *3* タ ノ シ ミ ナ ヒ「そーいやさ、七夕もーすぐだよな」 晩ご飯の時間に、こーちゃんがそんな事を切り出した。 「また天の河撮れっかな──」 そう呟くこーちゃんは、何だか楽しそう。 「夜晴れねーかなぁ。そしたら──天の河も織姫とかの星も見れるし」 「──いい写真撮れるといいよね」 「ぁぁ、でも天気と運次第だからな──」 「大丈夫だよ」 「みかん‥?」 「去年も一昨年も、その前の年だって──ちゃんと天の河見れてたんだもん」 きっと、大丈夫。 天気も運も──こーちゃんになら味方してくれるよ。 前へ |次へ |
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