《MUMEI》

香坂さんは一息つくと、来月出す写真集について‥こーちゃんと打ち合わせを始めた。





「それで、今月の締切なんだけど──」

「ぁ、ハイ」

「再来週の金曜まで、って事でも大丈夫かしら?」

「ハイ、大丈夫っすよ。──ぁ、天の河とかもいいですかね?」

「ええ。あなたが撮りたいものを撮って」





香坂さんは湯飲みをテーブルに置くと──こーちゃんを見つめた。





「本当はプロとしてやって行ける実力はあるのにね──。どうにか出来ないかしら。ファンだって沢山いるのに、アマのままじゃ勿体ないわ──」

「ぁ‥‥‥ぃゃ、いーんすよ、俺別に──有名になりたい訳じゃないし‥俺の写真見て元気になったり笑ってくれる人がいてくれれば、それで満足なんすから」

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