《MUMEI》

「ふふっ──変わった子ね」

「そっすか‥?」

「ぁ、違うの‥いい意味でよ? あなたみたいな子って──最近じゃ珍しいから」

「珍しい‥?」

「難しい事かも知れないけど、でもいつかはみんな分かってくれるようになるわ。──今だって、あなたの写真に魅せられてる人は沢山いるんだから」

「──ど‥どもっす」





こーちゃん、何だか照れているみたい。





「それにしてもそのデジカメ──随分前から持ってるみたいだけど──新品みたいにピカピカね──」

「大事な相棒っすからね──」

「さっきも何か撮ったの?」

「ぁ──ハイ、朝焼けなんすけどね──どっすか?」

「あら──綺麗じゃない」





香坂さんが言ったら、こーちゃんはまた照れたみたいだった。

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