《MUMEI》

でも結局、私はこーちゃんと外に出た。





陽の光が眩しくて、抜ける風が心地いい。





「‥?」





こーちゃんが、キョロキョロしている。





シャッターチャンスを狙っているんだ。





キラキラした一瞬を、カメラに収める為に。





「──おっ、みかん──あれ見えっか? ほらっ」

「‥‥‥飛行機雲?」





白い筋が、ずうっと遠くまで続いている。





「───────」





見入っていると、隣りから──シャッターを切る音。





「こーちゃんっ‥?」

「またまた頂き〜☆」

「ぇ‥また撮ったの!?」

「心配すんなって、俺が見て楽しむだけにすっから♪」






──眩しい笑顔。





キラキラしている──。

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