《MUMEI》

「佳代子さんが‥?」

「うん。それで、日向と1個づつ作ったって話したの」





ちょっと照れ臭そうに、那加は言った。





それを聞いて、何だか嬉しくなった。





「ほらぁ、日向もちゃんと食べなさいよ」

「──ハイ」





答えて、レジ袋からオニギリを取り出す。





那加はもう、デザートに取り掛かろうとしていた。





「早いな‥食べるの‥」

「日向が遅いの」

「ぅ‥」





それを言われると‥。





「あたしが食べちゃってもいいの?」

「──ぇ」

「ちょっと位なら食べれるんだから」

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