《MUMEI》 . そこに畳み掛けるように、俺は言った。 「いつまでも、図書室から見てるだけで、ホントにいいの?もっと、仲良くなりたくないの?」 俺の質問に、天草は少し考えたあと、 はにかみながら、ゆっくりと頷いた。 「……仲良くなりたいです」 それを聞いて、俺は笑った。 「だよねー!その方が絶対、楽しいよ」 天草は顔をあげ、俺を見て「ひとごとだと思って………」と、軽く睨んだ。 ぶつくさ文句を言い出す彼女に、俺は朗らかに笑いながら答える。 「俺も手伝ってやるよ、ヒマだし」 軽いノリで言ってみた。 べつに恋のキューピッドになろうと思ったわけじゃない。そんなもん、面倒くさくてかなわない。 ただ、なんとなく興味が沸いたのだ。 −−−天草に、対して。 . 前へ |次へ |
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