《MUMEI》

『ほらっさっさと食
べないと遅れるぞ』

なるべく普通に言っ
てトーストにかじり
ついた。


今日は連ドラの収録
日だ。主役二人が遅
刻は流石にマズイ。


『う…うん』

俺の言葉に促され急
いでパンを口に押し
込む海里。


『げほっ…んぐっ』

突然、涙目になって
もがく海里にビック
リする。


『おいっ大丈夫か?』

目の前のコップに入
った牛乳をイッキ飲
みして一息ついた後
コクリと頷いた。

『喉に詰まっちゃっ
て…ははっ』


『馬鹿、慌てて食う
からだよ』


『何〜如月が焦らす
からじゃないか〜』

頬をプックリ膨らま
せて俺を睨む海里。


『『ププッ!!』』

二人同時に吹き出す
笑い声と共に微妙な
雰囲気は取り敢えず
消えていた。

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