《MUMEI》

ゆっくり、こーちゃんに近付いた。





「───────」

「っと──、もーちょいこっちだな」






そう言われて、私は2〜3歩移動した。




「よーく見とけよ?」





こーちゃんが、少年みたいに笑う。





──何かが、起こる予感がした。





「──あっ」





うっすらと、何かが見える。





──7色の、光──。





「虹だ‥」





虹が見える──。





「綺麗──」

「なっ? いいもん見れただろ?」





得意げに、にぱっとこーちゃんが笑った。

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